
BUSINESS
2021年2月25日
エンゲージメントをより深く理解しマーケティング施策に活用するために
こんにちは、ダービースタリオンに狂ったようにハマっているじょーじです。
今回はエンゲージメントを主軸においたちょっと長めのお話です。
さて、マーケティング、ブランディングに関わる業務を行っている方は「エンゲージメント」というキーワードを日々耳にしているのではないでしょうか?ソーシャルメディアでの施策を行っているとうんざりするぐらい耳にしますね。
SNS戦略では「いいね」「シェア」「リツイート」「コメント」などなどをエンゲージメントの指標としてまるっとまとめたりしますが、本記事ではもう少しだけ大きめの観点でエンゲージメントという考え方を眺めていきたいなと思っています。
というのもエンゲージメントという言葉はソーシャルメディアにおける指標のみではなく、マーケティング活動全体で使用される言葉だからです。
マーケティング活動においては「顧客との深いつながりの重要性」が日に日に増してきています。
顧客との深い繋がりを実現するためには、「顧客を理解しようとする意図を持ってチームで顧客の行動を考え、仮設検証し、魅力的なコンテンツやストーリーで訴求すること」が大切。
考えるべきは小手先のルールハックや近視眼的なチャネル選びではなく、本質的な顧客目線のためにエンゲージメントという観点をいかに戦略に取り入れるか。
てゆうか、もうほぼここに尽きるのではないかと思っています。そしてぶっちゃけこの太字の部分だけ言えればもうだいぶ満足です。
が、もしご興味があればもう少しだけお付き合いください。
ここからはエンゲージメントをより深く理解し、マーケティング施策に活用するために弊社で意識しているポイントや注意点を記載していきます。
エンゲージメントという言葉の解像度がわずかでも向上し、自社のマーケティング、ブランディング活動のヒントになれば幸いです。
CONTENTS
1 まずは「エンゲージメント」という言葉の意味を理解する
ソーシャルメディアでのマーケティングが普及したことで、「エンゲージメント」というワードはもはやマーケティング界隈の共通言語となりましたね。
「エンゲージメント=ブランドと顧客の関係指標」として主に使用されていますが、ビジネスや戦略によって獲得、定義すべき数字、反応させるべき数字は異なります。
実はかなり変数が多く、総論的になりがちな大きな考え方なんです。
そんなエンゲージメントは「愛着心」などと訳されることもありますが、「理解しようとする意図を持って誰か / 何かに関わること」を意味することも。
マスなるマーケティングがマーケティング活動の大部分ではなくなっている現代においては「顧客の愛着心を醸成するために、顧客のことをより深く理解しようとする意図」が特に重要性を帯びてきています。
余談ですが、このエンゲージメントというキーワードがマーケティングで活用しはじめられたのは2004年なんだとか。アメリカ雑誌協会が広告接触の深度を表す言葉として指標化したり、2006年にはアメリカ広告調査財団(ARF)がGRPに変わる広告指標として検討したりしていたらしく、意外と古くからある考え方なんですって。
2 モバイルデバイス / ソーシャルメディアの普及によりエンゲージメントを軸としたマーケティングがより重要に
昔とは異なり顧客と情報の関係性が大きく変化したことは今更語るまでもないでしょう。
顧客はより自分に適した情報を、場所や時間に関係なく取得することが可能に。
結果としてマスマーケティングにように「広告を出せば売れる」といった考え方だけでは顧客に情報が届かなくなってきました。
「偶発的かつ瞬間的な顧客との繋がりのために大量の予算を投下すること」よりも「計画的かつ継続的な顧客との繋がりのためにリソースを投下すること」が求められます。
なんだか良いことを言った気がします。
そのために大切なのがエンゲージメントという観点。
ではエンゲージメントという考え方を軸としたマーケティング活動はどのような考え方で行われるのでしょうか。
弊社ではエンゲージメントを軸とした戦略を「顧客との信頼関係を構築し、ブランドの進化や発展に顧客が継続的に関係、参加してもらうことを促進する戦略」として捉えています。
時間をしっかりかけてディスカッションすべきなのは「顧客から信頼を得るために提供すべきコンテンツは何か」「顧客との良好な関係をいかに創出するか」。ここがエンゲージメントマーケティングのキモになります。
発信者はただ発信するだけ、顧客はただマーケティングメッセージを受け取るだけではなく、積極的にプロダクトやブランドとのリレーションを行うことを前提に戦略を考えます。そのためソーシャルメディアにおける戦略は非常に有効です。
ちなみにブランドマーケティングでは「顧客のイメージに良い思い出を継続的に醸成することで、ブランドの熱心なファンを創出し、他社の動向や価格変動に左右されにくいブランドを創り上げる」ことが求められます。これはエンゲージメントマーケティングとも非常に近しい考え方ですね。
実際エンゲージメントマーケティングにおいてはブランディングの施策が非常に多く顔をのぞかせます。
3 部分最適ではないマーケティング戦略のために「顧客のニーズ起点」での戦略立案が不可欠
マスマーケティングに変わって日進月歩しているデジタルマーケティング。もはやマーケティング活動においてデジタルの存在は無視することはできません。
そんなデジタル領域でのマーケティング状況を眺めてみると「顧客が困っている / 求めているから〇〇をする」のではなく「今は〇〇がトレンドだから〇〇をする」「自分は〇〇が得意だから〇〇をする」といったようなシーンによく出会います。
戦略の上流工程を考える時点で「顧客のニーズ起点」ではなく「自分勝手なソリューション起点」になってしまっているということですね。
ソリューション起点自体は必ずしも悪いことではなく、とても重要なことではあります。しかしそれだけだと往々にして部分最適思考に陥ったり、顧客リサーチを行わないカルチャーを醸成してしまったりします。
ソリューション起点はそれぞれのチャネル、セオリーやロジックによって明確なアウトプットを導き出すことはできますが、時として粒度の小さい議論に終始してしまい「顧客の心」を置き去りにしてしまっている可能性があるためです。
「理解しようとする意図」の優先度を下げてしまえば顧客からのエンゲージメントは得にくくなってしまいますよね。
誰しも好きな人には振り向いて欲しいものです。
長期に渡って愛されるプロダクト、ブランドを構築するためには、ちょっと立ち止まって大きな観点から戦略を検討することも大切かもしれません。「どのような顧客と出会い、どのように関係性を深め、最終的にどのような顧客になって欲しいのか」という長期的視点で議論を行うことも時として必要です。
現代のビジネスにはとにかくスピードが求められますが、 それで質を落としてしまっては意味がありません。好きな相手のためには立ち止まる勇気も必要です。
名言ですね。
そして「顧客から見れば自分たちは多くの選択肢の中の一つに過ぎない」ということを忘れてはいけません。
だからこそおごらず、丁寧に、謙虚に顧客との関係値を構築していく努力がエンゲージメント向上には求められます。
4 顧客は「静的」ではなく「動的」であることを前提にエンゲージメント創出を考える
マーケティング活動においてターゲットの態度変容の発生が少ない、いわゆる「静的」なケースは多くありません。
顧客の感情、ライフスタイル、趣味嗜好などなど様々な変数が常に変動し続け、ターゲットが恒常的に「動的」な状態であることを前提に戦略を考える必要があります。
すなわち変化に対して打ち手を考案し、随時柔軟に対策を変更することを前提とした戦略ということですね。
そのためにはいくつかのポイントがあります。
4-1 態度変容を複数の段階に分類する
顧客の態度変容は複数の段階に分類することができます。簡単な例を挙げてみましょう。
- 全マネージャー層が筋トレに注力することが求められ、解決策を検討開始
- 様々な解決策の中で、サービスの中にAとBとCが含まれているソリューションであれば課題を解決できると判断、選定開始
- 複数の会社に絞り、サービスを比較検討
- 会社を絞り、最終判断開始
- ◯社のサービスに決定、経営決済の準備開始
- 正式発注、筋トレスタート!
なぜ全マネージャー層に筋トレが求められるのかは解釈が分かれるところですが、1〜5ではそれぞれ顧客が欲しい情報が異なりますよね。
顧客が今1〜5のどこにいて、どの情報が欲しいのかを考える必要があります。
そのためもちろん企業側の打ち手、コンテンツも変化していきます。
顧客の態度変容は心理変化の結果なため、源泉となっている心理の変化(パーセプション)に踏み込まなければ表層的な施策立案に終始してしまう可能性も。特にコンテンツ領域では心理的起点、課題起点で設計を行わないと打ち手が定型的、定石的になってしまうため、注意が必要です。
4-2 行動指標を取得可能なデータで定義する
顧客の態度変容のフローを洗い出した後は「ターゲットが今1〜5のどこにいるのかをどのように判断するの?」ということを考えなくてはなりません。
直接ヒアリングできれば早いのですが、なかなか難しいことがほとんど。
そのため、
- 「〇〇のアクションが発生」→1から2へと移行
- 「〇〇経由で〇〇のページが反応」→2から3に移行
など、取得可能な顧客行動で判断することが必要になってきます。いわゆるナーチャリングの領域です。
ここで気をつけたいのが肌感覚。
「経験上、多分今こんな感じ」というローカルな感覚ももちろん必要なのですが、数字の裏付けがあまりにも少ない中で全ての定義を「なんとなくな感じ」で行ってしまうと、ちょっと危険です。
取得できるデータはしっかり取得、保管、解析し、顧客の傾向を洗い出しておきましょう。そうしないとエンゲージメント創出へのフローを組織で体系化できなくなってしまいます。
4-3 ニーズのスタート地点が異なること、マーケットの競合がどこを攻めているかを想定する
当然ながら全てのニーズが1からスタートするわけではありません。マーケティング活動においてはニーズを遡って考えることもとても大切です。
上流に遡れば遡るほど課題毎の粒度、内包された課題の母数は大きくなる傾向にあるため、リソース負担も大きくなりがちです。
しかしその反面、上流から顧客ニーズをしっかり掴んでおけば3〜5のプロセスを一気に省略することすらできる可能性もあります。
しかし、もし競合が上流プロセスで顧客エンゲージメントの創出にリソースを集中投下している場合、自社はあえて他のプロセスに注力するという意思決定も時には必要になるかもしれません。
自社と競合が同時に1フェーズの攻略を考えていたとして、
競合(超大手資本力全力投下一大プロジェクトチーム)VS 自社(中小企業既存業務兼業小リソースチーム)
だったとしたら、余程の打ち手がない限りどちらに分があるかは明確ですよね。
兵法ではありませんが、戦って負けそうな相手とは戦わず、まず勝てそうなところで戦うのも重要。ビジネスの段階によってアプローチすべき部分を戦略的に絞ることも大切です。
5 顧客インサイトを定期的に把握し、エンゲージメント向上に活用する
それぞれのフェーズにおいて発生しうるニーズ、課題感をよりクリティカルに理解するためには顧客インサイトを収集し、しっかりと把握することが求められます。
何度か触れましたがエンゲージメントには「理解しようとする意図を持って誰か / 何かに関わること」という意味がありました。
相手に振り向いてもらうためにはまず相手を理解すること。理解するためには相手のことをしっかりと考え、何を求めているか想像しなくてはいけません。
まるで恋のようですが、恋とは違ってしっかりとしたデータが出てきます。そんなデータを活用しない手はありません。
従来のインタビューやアンケート調査でも顧客のニーズを理解することはできましたが、どうしても企業側の恣意的な意図が反映されてしまいがちでした。
しかし今ではSNSを中心とした「オーガニックなニーズ」を収集することが可能です。自社のSNSアカウントに寄せられた声、創出されたUGCからより多くのリアルなニーズを抽出することができます。
それらにもし統計的なバイアスがかかってしまったとしても「インセンティブや恣意性なく語ってくれた声」には大きな価値があります。
ユーザーからの声を定期的に収集し「どのフェーズではどのような傾向があるのか」「まだ解決できていない顧客の課題は何か」などを明確化、マーケティング戦略に活用することが大切です。
これは主観ですが、多くの企業がニーズの収集までは積極的に取り組んでいるように感じられます。しかし、そこからもう一歩踏み込んだ「ニーズに対するソリューションは何か」を考える時間が不足している感が否めません。
もしかすると「顧客課題を解決するために企業やブランドが時間を使うためにチームが一丸となること」がエンゲージメントマーケティングにおいて最も重要なことなのかもしません。
6 顧客を「差別」せず「区別」することを起点に施策を工夫、エンゲージメントを向上を狙う
ほとんどのマーケターにとって「自社のプロダクトをより多くの顧客に継続して購入してもらいたい」ということは共通のミッションなのではないでしょうか。
マスマーケティングの有用性がまさにこのニーズ対してに発揮されていましたが、今では「浅く広い繋がり」よりも「狭く深い繋がり」による重要顧客の囲い込みが成果を発揮するケースも多く存在します。
そこで求められるのが顧客を「区別する」こと。大事なのは「差別」ではないことです。
- 区別:優良顧客は通常のサービス以外にプラスで〇〇という体験ができる
- 差別:優良顧客以外は魅力的な体験を提供しない
区別は「相手を理解した上でさらに喜んでもらうためのより良いサービスを提供する意図と工夫」が感じられますが、差別は「相手を理解しようとする意図の不足による関係値構築への怠慢」が感じられます。
「好きな人にはより良い体験をしてもらいたい」は良いやつ、「好きな人以外は軽んじる」は嫌なやつです。
差別と区別は短期的に見れば表に出てくる現象は大きく差がないかもしれませんが、長期的に見ると意外なほど大きな差が顧客体験に現れます。
7 エンゲージメントマーケティングを行う際は「マーケティングフローを俯瞰するための工程」をエンゲージメントを意識して作成する
エンゲージメントがなんだか重要そうな雰囲気はこれまで記載してきました。
となると当然次のような意見が発生するでしょう。
「じゃあどうやるのよ」
当然のご意見です。
そのような声に応えて、具体的にどのようなことを意識すればエンゲージメントマーケティングの実践に到達できるのかをご紹介します。
ビジネスによって工程の粒度は様々ですが、まずは「リードを獲得するところからCRMまでを俯瞰できるような全体図を構成すること」をおすすめしています。
簡単に言ってしまえばカスタマージャーニー強化版ですね。
ここから記載していく内容はエンゲージメントマーケティングではなくとも活用する場面が多い、非常にベーシックな考え方です。しかしそのマーケティングフローに「どこでエンゲージメントを高める仕組みを用意するか」という意図を組み込むだけでも考えの深さが変化します。
簡単な例も用いて説明していきますね。
フォーマットもあくまで例なので色々とかなり粗いのはどうかご容赦ください。
7-1 新規顧客を集めるためのリードジェネレーション工程
リードジェネレーションとは、自社の商品やサービスの興味を持った見込み客を獲得すること。オウンドメディア戦略やセミナー、資料ダウンロードやLPなど様々なリード獲得方法が存在します。
デジタルマーケティングは主にこの部分に力を発揮することが多いですね。
まずは「どのようにして見込顧客を集めるか」を俯瞰できるように工程を作成しましょう。
ここでまず考えるべきは「コンテンツ」と「手法」。
- コンテンツ:具体的に何を伝える?
- 手法:どんな手法で伝える?
を深掘りしていきましょう。
簡単に書くとこんな感じです。
ニーズ | 狙う心理的変化 | コンテンツ | 手法 | 施策の狙い | 狙う指標 | 狙う効果 |
花粉がもう本当につらい | まじか知らなかったけどこんな薬あるんすね | 誰でもできて効果的な花粉対策と、やたらと効果的な薬 | 記事コンテンツ / SEO | WEBサイトで商品の良さをより知って欲しい | アクセス数 | ECサイトからの購入→リード化 |
場合によってはこのような表をコンテンツごと、パーセプションごとにたくさん作成します。
エンゲージメントマーケティングは中長期で顧客のパーセプション、態度変容を促します。そのため単発の施策ではなく、点を線にすることを意識しましょう。
コンテンツと手法をもとに、
- 潜在顧客からウェブサイト訪問者(ビジター)になるまでの流れ
- ウェブサイト訪問者(ビジター)がリードになるまでの流れ
も一緒に作成することもおすすめです。具体的にパーセプションを複数想定し、工程表に明記しておくことが重要です。
7-2 集めた見込み顧客を育てていくためのリードナーチャリング工程
リードナーチャリングとはリードジェネレーションによって獲得した見込客を育成していく戦略のこと。 顧客課題の解決やプロダクトに関する知識を共有し、顧客の疑問や不安を解消しながら信頼関係の構築を図るプロセスです。
ここからは場合によってはデジタルの域を超えた仕組み、オフラインでの仕掛けの検討もスタートします。
- 顧客がどのような行動をするとどのフェーズと定義するのか
- どのフェーズではどのニーズに対しどんなコンテンツをいくつ用意するのか
- アクションはいつどのように起こすのか
などを考えていきましょう。
ざっくりとどのようにナーチャリングしていくのかを可視化しましょう。
簡単に書くとこのような感じです。
フェーズ1 | フェーズ2 | フェーズ3 | フェーズ4 | |
目的と成果指標 | メール開封3回 or LPを1クリック |
セミナー予約ページ閲覧 | 予約 | セミナー参加 |
ターゲット | 新規リード全て | メール開封3回 or LPを1クリック した見込顧客 |
予約ページ閲覧 | 予約完了者 |
実行開始 | 新規リード化翌日 | 指定アクションから5営業日以内 | 予約ページ閲覧から10営業日以内 | 予約日に準じる |
コンテンツ | コンテンツA-1 5営業日待機 |
コンテンツA-2 5営業日待機 |
予約確認メール | 御礼メール |
コンテンツB-1 5営業日待機 |
コンテンツB-2 5営業日待機 |
お礼コンテンツ | 御礼特典コンテンツ | |
コンテンツC-1 5営業日待機 |
コンテンツC-2 5営業日待機 |
リマインドメール | ステップメール |
あくまで例としてですが、これら明確にしておくとチームとして動きやすくなります。
もし可能であればフェーズ移行が発生した際に「どのようなエンゲージメントがなぜ作用したのか」を考えてみてください。時として意外な発見をすることができ、自社のマーケティング資産になることもあります。
7-3 顧客との関係を継続するためのCRM工程
顧客を獲得、育成した後は関係を継続するためのフェーズ。
ここで出てくるのがCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)です。
CRMは顧客との関係を強化することで、獲得収益を最大化するための手法。顧客データベースなどを活用し、ニーズを細分化し、ニーズにあったコンテンツを発信する戦略のこと。
メルマガ戦略と混同されがちなので、しっかり分けて考えましょう。
顧客のLTVを最大化するためには、高いエンゲージメントを創出することが極めて重要。
この工程を考える際には、
- パーセプション
- コンテンツ
- 手法
に重きを置きます。
フェーズ1 | フェーズ2 | フェーズ3 | フェーズ4 | |
パーセプション軸 | パーセプションA (初回購入時のパーセプション) |
パーセプションB (低ロイヤル時期のパーセプション) |
パーセプションC (ロイヤリティー拡大時期のパーセプション) |
パーセプションD (高ロイヤリティー顧客のパーセプション) |
コンテンツ軸 | パーセプションAに対応する コンテンツA コンテンツB コンテンツC |
パーセプションBに対応する コンテンツA コンテンツB コンテンツC |
パーセプションCに対応する コンテンツA コンテンツB コンテンツC |
パーセプションDに対応する コンテンツA コンテンツB コンテンツC |
手法軸 | ステップメール | 広告 / ステップメール | セグメントされたコンテンツの配信 | コミュニティー戦略 |
各フェーズで「エンゲージメントをどのように計測するか」ということもしっかり定めておきましょう。もしデータが少ない時期は仮説ベースでも構いません。
「顧客1名から獲得できる年間収益目標×継続年数」などの指標をエンゲージメントの目標とすることも多いですね。
CRMはリードジェネレーションやリードナーチャリングと比較しても、戦略に向き合う期間が非常に長い傾向にあります。
すなわち顧客の心理的変化やライフスタイルの変化も発生しやすくなるということ。そのため工程表も細分化されたものがデファクトになる可能性を考慮しておきましょう。
7-4 全部の工程を繋いでみる
最後に、これらの表を合体させてみてください。
マーケティング活動の初期からエンゲージメントを意識し、優良顧客となってもらうための壮大な工程表が出来上がっているはずです。
かなり細かいと感じられるかもしれませんが、この工程表は戦略の上流部分。戦術の各論部分は触れていないはずです。
この表をベースに随時戦略をブラッシュアップ、具体的にどのように実現するのかの戦術的各論とジョイントさせてください。
最後に – 大切なのは「顧客の喜びのために時間を使い、チームでしっかりと考え抜くという意思決定」を組織が徹底できるかどうか
長々と説明してきました。エンゲージメントって意識することが大事なんだなーという感覚がわずかでも生まれてくれれば嬉しいです。
エンゲージメントマーケティングは「Instagram戦略を行えばOK」「SEO戦略を考えればいいんでしょ」という考え方とは異なります。その大きさのため全体感がボヤっとしてしまうことがほとんど。
そのためしっかりと可視化できる部分は可視化して、チームで意識を共有していきましょう。
しかしチームで顧客課題に本気で向き合うことはものすごく大変です。どうしても主観で判断してしまったり、ソリューション起点になってしまったりしがち。
客観的な目線を持ち「長期的に顧客をの関係性を良好にするためにはどのようなエンゲージを生み出し続けなければならないのか」をしっかりディスカッションできるチームであり続けること。実はこれがエンゲージメントマーケティングの最も難しい部分なのかなとも思います。
そのようなチーム体制を実現できるよう、弊社ももっともっと頑張っていきます。