大切なのは信頼性。YMYL領域のSEOに必要な視点と4つの対策

こんにちは、エディターのらくえんです。冷蔵庫がぶっ壊れてしまい、野菜・お肉・調味料に至るまで全滅してしまいました。本当につらい。

冷蔵庫はさておき、そんな僕が本日取り上げたトピックは「YMYL」。

YMYLとは、「YOUR MONEY OR YOUR LIFE」の略。「NO MUSIC NO LIFE」みたいで格好良いですね。簡単に言ってしまうと、「検索ユーザーの健康やお金に関わるトピック」のを総称です。

実は、このYMYL領域に関するトピックをウェブサイトのコンテンツとして扱う場合には注意が必要。趣味やライフスタイルといった軽めの話題に比べて、より確かな情報ソースと信頼性が求められます。

生半可な対策では、SERP(検索結果)の1ページ目はおろか、ページネーションを何度クリックしても遥か前に投下したはずの自社コンテンツが一向に出現しないなんてことも。

今回は、YMYL領域のSEO対策がなぜ大変なのか、その理由とそこから見えるSEO対策の本質について詳しく解説していきたいと思います。

ちなみにアイキャッチ画像に柴犬をチョイスした理由は、可愛いから。それだけです。

1 YMYL領域って具体的にどんなジャンル?

冒頭の繰り返しになってしまいごめんなさい。

でも基本の「キ」なのでもう一度確認しておきます。

YMYLとは、「YOUR MONEY OR YOUR LIFE(意訳 : 貴様のカネと生命)」の略。金融情報、医療、法律、公的なニュースといったトピックがYMYL領域に該当します。

もし時間のある方は、品質評価ガイドライン「2.3 Your Money or Your Life (YMYL) Pages」を熟読してみると良いでしょう。ウェブマスター必読です。

【YMYLの対象ジャンル】

対象ジャンル 代表例
ニュース・時事系 政治や時事問題等に関するトピックを扱うサイト
公共サービス・法律系 一般的な市民生活を維持するために必要な情報を扱うサイトなど
金融系 投資、保険、住宅などお金に関する情報を発信するサイト
ショッピング系 オンライン上で商品購入などを行うサイト(ECサイト等)
健康・安全系 病気の症状や医療情報、病院など人の命に関わる情報を提供するサイト

ちなみに表には掲載していませんが、人生におけるターニングポイント(進学・就職・結婚等)に関する情報を発信する際にもYMYL同様の厳しい評価が行われます。

YMYL領域って、意外と多岐にわたるのです。

2 自分が病気に罹り、Googleで原因や治療法を検索する場合を考えてみよう

YMYLに関する低品質な情報は、人々の生活に大きな影響を与えます。

自分が何らかの病気に罹ってしまった(かもしれない)という不安が頭をよぎっている場合を考えてみましょう。Googleの検索窓に今自分の身に起こっている症状を入力してみます。

「アルコール飲んでいない時 手の震え」

すると検索結果には、アルコール依存症に関するコンテンツが多数ヒットします。当然、自己診断は危険ですが、何となく自分はアルコール依存症かもしれないと目星がつきました。

次に、万が一アルコール依存症だった場合、どのような治療法があるのか知るために「アルコール依存症 治療法」というキーワードで検索を行ったとしましょう。

もし検索結果が以下のようなものだったら、どうしますか?

1位「神仏に祈りを捧げてアルコール依存症を治そう」

2位「アルコール依存症には迎え酒が有効」

3位「実体験!気合で治すアルコール依存症」

4位「アルコール依存症に効く神秘の水」

5位「アルコール依存症は医者にかかっても意味がない」

(もちろんこんな検索結果はあり得ませんが)カルト絡みや謎の実体験に基づく信憑性の低い記事などが多数ヒットしたとします。ある程度のリテラシーの持ち主なら、こんな胡散臭い情報がヒットした時点で発狂しながらタブを閉じてしまうことでしょう。

しかしながら、こうした信憑性の低い情報を本当に信じてしまう人も一定数います。

その結果として、本来しっかり通院していれば治療できたはずのアルコール依存症を悪化させてしまう可能性もあるわけです。

3 YMYL領域の検索結果の特徴

YMYL領域に関わるキーワードの検索結果には、公的機関のページやその道の専門家が執筆したコンテンツが上位表示されます。

実際に「アルコール依存症 治療法」としてみましょう。検索結果には、依存症治療を専門とする病院の発信している記事や、製薬会社の記事が多くヒットしているはずです。

逆に、個人が発信しているコンテンツや信憑性の低いコンテンツはほとんどヒットしません。

これはGoogleが、情報の発信元の専門性や権威性、そして信頼性を何よりも重視しているからなのです。この専門性・信頼性・権威性の3つを総称して「E-A-T」と呼びます。

YMYL領域では、通常のトピックと比べ、より一層厳格な「E-A-T」が求められます。

「周りからきちんと認められている(権威性のある)プロが専門的かつ信頼性の確かな情報を発信してないと、あまり高い評価はしてあげられないよ。」

Googleはウェブマスターの皆さんにそう言ってるわけです。

4 YMYL領域のSEOに必要な4つの対策

この見出しをつけておいてアレなんですが、結論から言います。

YMYL領域のSEOに対する”クリティカルな”対応策はありません。

「サクッと対応して自社コンテンツを上位表示させたい!」という企業本位の考え方とはそもそも相容れない領域です。

とにかく検索ユーザーが安心できるような、信頼性の高いソースを参照して、専門的なコンテンツを発信するのが近道。もっと言えば、発信する自分自身にも権威性があった方が良いでしょう。

もちろん対応策が全くないというわけではありません。一般的には、以下のようなポイントを意識することが大切であると言われています。

4-1 専門家に記事を監修してもらう

その領域におけるスペシャリストが監修した質の高い情報を掲載することは、YMYL領域において有効な手段の1つです。

直接インタビューしても良いですし、いっそのこと執筆自体を依頼するのも良いでしょう。そして、専門家が執筆または監修している旨を、記事のどこかにしっかりと明記してあげることも大切です。

可能であれば、構造化マークアップを用いて、そこに記載されている情報が「著者情報(Author)」または「監修者情報(reviewedBy)」であることを示しましょう。

セマンティックなマークアップが可能かどうかについて、社内のエンジニアと一度相談してみることをおすすめします。

4-2 情報の根拠をハッキリと示す

ソース不明の情報は、Googleだけでなく検索ユーザーの目から見ても信用できません。

「この薬、アルコール依存症に効くらしいよ。知らんけど」

もしこんなこと言われたら不安ですよね。何のソースの提示も無しに、割とカジュアルなトーンで謎の医薬品情報勧めてこられたら戦慄します。

出来る限り、情報の根拠を明確に示しましょう。大切なのは根拠たりうる「一次情報」を参照すること。公的機関の発信している情報や、学術論文等がそれに当たります。

そして根拠として用いた一時情報を、引用タグを用いて適切に引用しましょう。可能であれば、構造化マークアップの「引用スキーマプロパティ(citation)」を使って記述するのが理想です。

逆に、少しでも根拠に不安のある情報は一切掲載しない姿勢も大切と言えるでしょう。

4-3 運営者情報を明記する

サイト内のどこかに会社概要や運営者情報を掲載しましょう。

そもそも、どこの誰が発信しているのかもわからない情報を信じようとは思いませんよね。

僕も学生時代、出自の全く不明な人から「今度飲み会こない?テンション上がる話あるんだけど」と誘われましたが、全く信用できず速攻で断りました。身元がよくわからないって本当に怖い。

もし「しっかりとしたソースのある質の高い情報を発信している」と自信を持って言えるのであれば自分がどこの誰であるかを明記しても不都合はないはず。

自分の身元をしっかりと明記して、ユーザーに安心感を与えましょう。

4-4 情報の鮮度をキープする

情報を掲載した当時において正しいとされていた内容であっても、時間の経過に伴い新たな事実が発見されることもよくあります。

生鮮食品とYMYL領域コンテンツは、鮮度が命。

精査して掲載した情報であっても、定期的にチェックし情報の鮮度をキープしましょう。「執筆時点で」の情報を「現時点で」の情報にアップデートすることが大切です。

ファクトチェックを兼ねてリライトをしてみると効率が良いかもしれません。

5 広告プラットフォームのとしての価値を維持する狙いもある

Googleの提供する検索プラットフォームは、もはやライフラインに近いくらい重要なものです。

でも1つ思い出していただきたいのは、Googleも利益を追求する「法人」であるということ。決して、便利な検索プラットフォームを無償で提供する慈善事業組織ではありません。

そもそもGoogleは、世界トップクラスの広告媒体会社です。つまり広告掲載料として世界中の人(広告主)からお金をもらっています。

もしGoogleという検索プラットフォームに、信憑性の低い情報ばかりが上位表示されていたらどうでしょうか?

質の低いサービスは当然ながらユーザーからも嫌われます。嫌われれば、アクティブユーザーも減っていきます。アクティブユーザーが減っていけば、Googleというプラットフォームの価値も激減してしまいます。そんなところに広告を出稿しようとは思いませんよね。

つまり、質の高い情報を上位表示できなければ、サービスとして成り立たなくなります。

ユーザーの生活に大きな影響を及ぼす可能性のあるYMYL領域は、まさにGoogleにとっても死活問題となりうるわけです。

6 あれっ、別にYMYL領域に限った話じゃなくない?

ある程度SEOに関する基本的な知識をお持ちの方は、この記事を読み進めていくうちにある疑問を抱いたはず。

「この話、別にYMYL領域に限った話じゃなくない?」そう、おっしゃる通りです。ぐうの音も出ないくらいおっしゃる通り。

前述した「E-A-T」のお話もそうですが、専門性・権威性・信頼性の担保はあらゆるジャンルのコンテンツに必要です。

例えばライフスタイルに関するトピックを扱う場合も、専門性は必要ですし、情報発信者の権威性と信頼性もいうまでもなく重要と言えるでしょう。

「その道の専門家が確かなソースに基づいて質の高い情報を発信する」という姿勢は、YMYL領域に限らず、コンテンツを制作する上で非常に大切なのです。

最後に : YMYL領域のSEO対策は「急がば回れ」

検索という行為が人々の生活にどれほどの影響を及ぼしているのか、Googleは誰よりも理解しています。

健康に関するトピックにおいて、個人の執筆したキュレーションメディアの記事が上位にヒットし社会問題化した事例はまだ記憶に新しいですよね。

だからこそ出来るだけ高品質かつ信頼性の高い情報を上位表示させ、僕たちの生活を少しでも快適に、便利にすること、この1点に苦心しているわけです。

そして、残念ながら「これさえやっておけば大丈夫!」という方程式は、YMYL領域にはありません。

もし本気でYMYL領域のSEOに取り組む場合には、記事を監修・執筆するプロフェッショナル、そしてセマンティックなマークアップを実装可能なエンジニアとの連携体制構築が不可欠です。

YMYL領域のSEO対策は、まさに「急がば回れ」。

「よし、厚生労働省のページを追い抜いてやろう!」といった企業の利益本位ではなく、常に「ユーザー目線」を意識した上で「情報の質の担保すること」にリソースを注ぎましょう。

それと繰り返しになりますが、アイキャッチの柴犬、可愛いですよね。ありがとうございました。

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