文章を作成する時におすすめの基本的な20のレトリック(修辞法)

こんにちは、ボンバーマンが下手すぎるじょーじです。そんなじょーじが今回お届けしましたるは、文章にまつわるお話。

さて「文章を書く」という作業をしていると、表現が平坦になってしまったり、同じような文体を使ってしまったりすることはありませんか?

恥ずかしながら私はすごくあります。

文章を見返して「ここ、もっと工夫できるんじゃない?」というポイントを見つけ、改善するためには「レトリック」の観点が非常に有用。

ちなみにレトリックは「修辞法」とも呼ばれ、「言葉を美しく巧みに用いて効果的に表現することや、その技術」のことを意味します。

ざっくりと覚えておいて文字作りの際に意識するだけでも、彩りある文章やコピーを生み出すために役立ってくれます。

そこで今回はWEB編集にルーツを持つ弊社が日常的に使用している「文章を考える際のおすすめレトリック」をバーっとご紹介していきます。

私の実体験を元にやや脚色を加えた表現なども交え、軽やかな例文を用いながら解説していきますね。

1 表現の幅が求められる「直喩」

レトリックと言えばこれ!というぐらいよく出てくる直喩。

「〜のような」「〜のように」など分かりやすい例に喩える手法です。

例えば痛み。

「まるで馬に蹴られたかのような」などの表現は「強い痛み」を想起させます。

例文を見ていきましょう。

じょーじは初デートでまるでジャン=バティスト・カルボー作の銅像のように黙り込み、ふられた。

直喩を用いるとこのような表現が可能です。表現の幅が求められるレトリックとも言えますね。

特に文学作品などは意表を突くような直喩が非常に多く散りばめられていますので、どのような直喩が使用されているのかを気にしながら読書するのも面白いですよ。

2 読み手の想像力に言葉で訴える比喩の女王「隠喩」

欧米のレトリック学では「比喩の女王」とも言われる隠喩。やや遠回しに事象や物事を喩える知的なレトリックです。

「A=B」という直喩に対し、隠喩は「A→読者が解釈→B」とるため、理解のステージにより強いグラデーションが発生します。

先ほどの例文を隠喩にしてみましょう。

じょーじは初デートで銅像となり、ふられた。

もちろんじょーじは実際に銅像になってはいません。「銅像みたいに黙ってないでもっと話せばよかったのにさ」というように捉えることが出来る一文です。

「書き手の表現力で読者を楽しませる」のが直喩、「読者の読解力に委ねる書き手の言葉選び」をするのが隠喩、と言えるかもしれません。

また、隠喩は直喩のように「〜のような」という言葉としての指標がありません。その代わりに言葉遊びの自由度は格段に飛躍します。

デメリットとしては読者によっては使用した喩えがわからない事があるという事でしょう。

3 すっきりした文章にする際に大活躍する「換喩」

表現対象と高い関連性を持つものなどに言葉を置き換える表現方法のこと。

冗長になりがちな文章に使用することが多々ありますね。

通常の文:じょーじは極めて器が大きく、誰に対しても感じの良い好青年だ。

換喩の文:じょーじは好青年だ。

「ちょっと長いかな?」と思った文章をすっきりさせたい時に使用すると効果的です。

4 文章にリズム感を与える便利な「体言止め」

「体言止め」は、体言(名詞や名詞句)を文章の最後に置き、文章を締めくくるレトリック。これも有名なレトリックですね。

通常の文:じょーじは知らない街ではすぐに迷子になる。

体言止めの文:知らない街ではすぐに迷子になるじょーじ。

このように体言が結論になる際に用いることが多い手法です。表現対象を強調したり、文章にリズムを作りたい時におすすめ。

5 言い回しを変えて意味を伝える「緩叙法」

表現したい内容を直接表現せず、逆の意味を否定するような言い回しを行うレトリック。

「好き」→「嫌いではない」、「悪い」→「良くない」などと用いられるといえばイメージしやすいかもしれません。

通常の文:じょーじはカラオケが下手。

緩叙法:じょーじはカラオケが得意ではない。

など、主張を遠回しに表現したいときに活用すると効果的です。

6 曖昧に表現をする際は「婉曲法」

婉曲法は曖昧に表現したい時に使用するレトリック。

露骨な表現やエビデンスが取れていない情報などを文字にしてしまうと、読者に対して不信感や不快感を与えてしまうかもしれません。

「あえて濁す」ことも時には重要です。

断定回避語としてマイナスイメージをプラスに転じさせようとする手法ですが、日本語はこの手の言葉が盛んにあります。

通常の表現:じょーじは美容院で初めて「こんな髪型にして欲しい」と伝えたところテクノカットになってしまったが、衝撃的なレベルで似合っていない。

婉曲法:じょーじは美容院で初めて「こんな髪型にして欲しい」と伝えたところテクノカットになってしまったが、きっと他の髪型の方が似合うだろう。

など、ネガティブな表現を曖昧に言語化するのが婉曲法。

緩叙法は「嫌い→好きではない」という単語的な置き換えを行ったことに対し、婉曲法は文章での表現的な置き換えを行うイメージです。

7 意外性のある言葉の並びを作り出す「倒置法」

語順を入れ替える技法である倒置法。読者に違和感や意外性を与えます。

この技法も有名なものですね。日本語は言葉を入れ替えても意味が伝わりやすいので、倒置法が日常的に使用されます。

では「じょーじはリレーで転倒したよ」という普通の文章を例に言葉を入れ替えていってみましょう。

  1. リレーでじょーじは転倒したよ。
  2. じょーじは転倒したよ、リレーで。
  3. リレーで転倒したよ、じょーじは。

と、語順を変えても意味が伝わりますね。彼が転倒したことが理解できます。

さて倒置法として最も強調効果を発揮するのは「述語の後に強調要素を配置する」パターン。すなわち2と3の文章です。

広告のキャッチコピーなどではこの倒置法が頻繁に使用されていますね。

強調したい言葉を後に配置することで、文章に強調性が生まれ、ニュアンスが伝わりやすくなります。

8 物を人らしく喩える「擬人法」

分かりやすく、文章への親近感を醸成してくれる擬人法。その名の通り人でないものを人や、人の行動に見立てて喩える表現方法です。

  • じょーじの手から滑り落ち、気持ちよさそうに海に潜っていく彼のiPhone。
  • じょーじは唸り声を上げて快速している車にいきなりはねられた。

など、日常生活でも頻繁に使用されているレトリックです。表現に幅を持たせることができるという意味では書き手の技量が求められる技術でしょう。

9 人を物らしく喩える「擬物法」

擬人法とは異なる擬物法。擬人法は物を人に喩えていたのに対し、擬物法は人を物に喩えます。

歩く万馬券、じょーじ。

などは分かりやすい例と言えるでしょう。

影で操っている人の事を「黒幕」と読んだり、気が短い人の事を「瞬間湯沸かし機」と呼ぶのも擬物法ですね。擬物法はいい意味よりも悪い意味で使用されることが多い傾向にある表現だったりします。

10 単語を並べてインパクトを創出する「列挙法」

食べ物なら食べ物、車なら車など似た要素の単語をひたすら並べていくというシンプルなレトリック。

2,3個だけだとちょっとインパクトがないかもしれないので、やや多めに羅列することが求められます。

単語だけ並んでいるのでやや稚拙に見えてしまいがちですが、適切に使用すると印象に残りやすい文章を作り出すことができます。

昨日から何も食べていないじょーじは今日も財布を忘れてしまい何も食べられない。牛丼、ラーメン、中華料理、焼き鳥、イタリアン、寿司。夜の街を歩く彼を様々な誘惑が襲うが、財布を持っていない彼になす術はない。

文章にリアリティーが出て、その情景が思い浮かぶような視覚的効果も期待できますね。

11 相反する物事を対比させる「対照法」

対照法は言葉や観念を対比の関係にし、双方を際立たせるレトリック。文章にコントラストが生まれ、文章にメリハリを与えてくれます。

長い文章よりも短い文章の方が効果を発揮する傾向にあります。

例えば「じょーじは友達がいない」と言われてもどのレベルで友達がいないのかいまいち読者にはわかりません。しかし、

しょーへいは学生時代から明るい人気者であるため友達が非常に多いが、じょーじはそうではなかったので友達がいないのだ。

と比較例を挙げて説明することで、読者がイメージしやすく、記憶に残りやすいレトリックとして使用することができます。

12 読み手の興味を引きつける「奇先法」

文章における書き出しの重要性はもはや語る必要もないほどでしょう。

書き出しに「おっ」と思わせる要素を混ぜる仕掛けのことを奇先法と呼びます。

文章を読もうとするやいなやこんな文章があったらどうでしょう?

じょーじが大惨事に巻き込まれました。

「じょーじ、どしたん」となりませんか?

この「どしたん」という感覚をどう醸成するかが奇先法の観点。

「こんな書き出しで興味持ってくれるかな」「こんな言葉の方がいいかな」など自問自答を繰り返し、奇先法を考えることが求められます。オーガニックSEOを意識するコンテンツであってもなくても、「読み手のことを意識」することは非常に重要です。

レトリックを超えてもはや意識のレベルかもしれませんね。

13 読み手に問いかける「問いかけ法 / 呼びかけ法」

問いかけ法/呼びかけ法は「読み人に直接働きかけるレトリックの総称」のこと。読者に対して「自分ごと化」を促す手法です。

読者の皆様はどう思いますか?

打ち合わせに毎回遅刻してくる、じょーじという人間のことを。

倒置法まで活用した実にテクニカルな一文ですね。この文を読まれた皆様はきっとこう思われたのではないでしょうか?

  • 「最低」
  • 「恥を知れ」
  • 「しっかりしろ」

でも大丈夫。実はじょーじは滅多に遅刻しません。

文章とは書き手ど読み手のコミュニケーションでもあります。読者を文章の世界観に招き入れる工夫の一つとして、このレトリックは非常に有効です。

14 大袈裟な表現が強い印象を与える「誇張法」

読んで字のごとく、物事を必要以上に大げさな表現で伝えるレトリック。婉曲法と共に日本で非常によく見受けられる表現ですね。

じょーじは世界中の美女が思わず振り返るほどのイケメンである。

このように時として大袈裟に伝わるこの表現は「脚色」する際によく用いられます。脚色とは事実を誇張するもの。

文章のスパイスとして面白く物事を伝えることもできれば、やりすぎると「嘘」として捉えられてしまうかもしれません。バランス感に注意しながら使用したいレトリックです。

15 徐々に尻つぼみになる表現「漸降法」

今日こそはと意気込んで家を出たもののじょーじはなんだかやる気が出ない。もう帰って寝たいし明日もそうしていたい。

このようにだんだん尻つぼみになっていくような表現方法のことを漸降法(ざんこうほう)と呼びます。あまり使用する頻度は多くないように感じますが、広告では非常に多く使用されているレトリックです。

このような文章を見たことはありませんか?

  • 「30代からどんどん脂肪が落ちなくなってきた。そろそろ運動しないと…」
  • 「今年こそ資格を取ろうと思っても、後回しにしてしまう…」

そんなあなただからこそこの商品!

というような文脈での広告を目にする機会が増えていますよね。基本的にネガティブな表現ではありますが、だからこそ共感を生むことも出来るレトリックです。

16 盛り上がりを見せたい章構成にぴったりな「漸層法」

漸層法(ぜんそうほう)は漸降法と真逆のレトリック。だんだんと表現を強めていくレトリックです。英米のレトリック学では「climax(クライマックス)」と呼ばれる手法です。

クライマックスの語源である「梯子」「階段」のように、だんだんと盛り上げていくのが漸層法です。

言葉や句、節が順番に重要性を増すよう配列されているという特徴を持ちます。

じょーじが苦手なものが3つある。虫、パクチー、そしてカラオケである。

このように漸層法で文章を締め括ると「なぜカラオケが苦手なのか」という文章へのスムーズな移行が可能に。

1つの文で表現することもできれば、文章の構成時にも効果的に使用することが可能です。

  • 第一章:モテたいがモテない大学生じょーじ
  • 第二章:初めてチャレンジしたいヘアスタイルを発見
  • 第三章:じょーじ、勇気を出して美容院へ
  • 第四章:テクノカットになってしまったじょーじ、その失意の生活
  • 第五章:テクノカットからの復活
  • 第六章:じょーじ、ついに春の訪れか?

一大学生が挫折を乗り越えて春に向かわんとする、青春時代の葛藤における瑞々しさや初々しさをありありと思い起こさせる実に見事な章構成です。

実はこのような流れはノウハウ本や自己啓発本、ノンフィクション作品などにも使用されています。これらのジャンルの本は漸層法で作られていることが多いのです。

「最初は〇〇だったけど、最終的に〇〇になれたよ」というようなニュアンスでも使用されます。その「〇〇になれた理由」を売りにしている作品も多いですね。

17 読み手を焦らす「情報待機法」

大事な情報、読者が知りたい情報をあえて先延ばしにする技法のこと。「どうなるの?」という読者の気持ちを煽るためのレトリックです。

「結果はCMの後で!」などはこの情報待機法の最たる例でしょう。

このレトリックはやや長めの文章でも使用されることがあります。

全校生徒が見守る中始まった学年別リレー。学生にとっては一年の中でも特に重要なイベントと言っても過言ではないだろう。最下位でバトンを受け取り先行ランナーを猛追してゆく影がある。彼はまるでアルジェリアの血気盛んなチーターに取り憑かれたかのような勢いだ。しかしあろうことか途中で足がもつれ砂埃を巻き上げながら大転倒してしまった。一体何が起きたというのか。そんな中自身で巻き起こした砂埃の中から申し訳なさそうに登場してくるのは、じょーじその人であった。この惨事が尾を引き、彼の所属するクラスは見事な追い上げを見せるも残念ながら1位にはなれなかった。

このようにすぐに結論やポイントを言わず、あえて後半に持ってくるこの表現はエッセイや小説などでもよく使用されますね。

18 急に文調が変化する「破調法」

破調法は文書の流れや調子を突然変えるトリッキーなレトリック。難しい文体だったのにも関わらず急に口語調になったり、その逆も然り。

私、じょーじはふとした機会から「ユークリッド幾何学」について調べていた。

Wikipediaによると

  • まず点や線などの基礎的な概念に対する定義を与える
  • 次に一連の公理を述べ、公理系を確立する
  • そしてそれらの上に500あまりの定理を証明する

という現代数学に近い形式をとっているんだそうだ。

なるほど。

すいません。ちょっと分かりません。

など急に敬体に変化する文章も破調法と捉えることができますね。

19 言葉を繰り返して印象的な文に仕上げる「反復法」

その名の通り同一の語句を繰り返すレトリック。

じょーじは友達がいない友達がいないのだ。

技術的には非常に簡単で使用しやすいレトリックです。

そんな便利な反復法ですが、実は5つの方法が存在します。

  • 畳語法:同じ語句を単純に繰り返す
  • 畳点法:同じ語句を一箇所に集中的に繰り返す
  • 首句反復:文頭の語句を次の文頭でも繰り返す
  • 結句反復:文末の語句を次の文末でも繰り返す
  • 前辞反復:前の文の最後の語句を次の文の最初で繰り返す

繰り返す箇所によって読み手に与える印象やリズム感も異なります。

20 直接的な表現を使用せず五感に訴えかける「共感覚法」

美しい景色を「きれい」と、美味しい食事を「おいしい」とそのまま表現するのではなく、五感を駆使して表現する手法のこと。表現の幅が求められます。

尾道の海を見たじょーじはその景色を「なんかいいなー」と感じた。

この文章でももちろん意味は伝わります。ここに感覚的な要素をプラスしてみましょう。

じょーじは尾道の海を前に腰を下ろした。17時の尾道の景色が、モン・サン=ミシェルへ向かう海沿いの歩道から見た夕暮れと重なる。

沈む夕日、柔らかな潮風、静かに波打つの海の声。

季節の割には冷たい尾道の海風が、不思議と肌に心地よかった。

不注意で海に落とした彼のiPhoneは、もう見つからなかった。

さてこの文章、一度も「きれい」などの表現は使っていません。でもなんだか「きれいっぽい」「よさげ」な雰囲気を感じませんか?不注意で落としたiPhoneは見つかりませんでしたが景観の豊さは表現できました。

もちろん五感の感覚要素を全く必要としない文章も多くあります。感覚的な表現が必要な際に多彩な描写ができるよう、日々感覚を磨いておきたいものですね。

最後に — レトリックは便利だけど多用しないように注意しよう

さて長々とよく使用するレトリックをご紹介してきました。

文章に彩りをプラスしてくれるレトリックですが、使用しすぎると逆に読みにくくなってしまいます。しかしレトリックを全く使用しないとそれはそれで味気ない文章になってしまうかもしれません。

公的な文章なのか、カジュアルな文章なのかによって使用するレトリックは大きく変化してきます。コンテンツのテーマやターゲットに合わせて柔軟に使用してみてください。

ちなみにテクノカットにされた際は本当に大変でした。美容院ではちゃんとオーダーをするようにしましょうね。

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